この記事は怒りで書いてる。キーボード叩く指が震えてる。でも書く。同じ被害者を出さないために。
俺は「月利30%の自動売買ツール」に130万円払った。結果、残ったのは12,847円と、暗い風呂場の床に座ってた記憶だけだ。
深夜のインスタが全ての始まり
午前2時30分。嫁は隣で寝てる。俺はベッドでインスタをダラダラ見てた。
流れてきた広告。白いフェラーリの前で腕組みしてる男。キャプションにはこう書いてあった。
「元手30万が3ヶ月で280万に。完全自動。あなたは寝てるだけ。」
普通ならスワイプして終わる。でもその日の俺は違った。残業続きでクタクタ。給料日まであと12日。口座残高は心許ない。
指が止まった。プロフィールに飛んだ。ストーリーを全部見た。
収益のスクショが並んでる。月利28%、32%、35%。LINEのやりとりスクショ。「先月40万プラスでした!」「脱サラできました!」
今なら全部偽物だってわかる。でもあの夜の俺には、希望に見えた。
買う前に嫁に相談すればよかった
LINEに登録して、個別面談とやらを受けた。Zoomで30分。相手はやたら爽やかな20代の男。
「今なら特別価格で130万円です。明日には値上げします。」
130万。普通なら「は?」って言う金額。
でもあの男は言った。「月利30%なら、4ヶ月で回収できますよ。5ヶ月目からは全部利益です。」
俺はトイレに20分こもって悩んだ。便座の上で電卓アプリを叩いた。130万×1.3×1.3×1.3×1.3=…。
4ヶ月で371万。すげえ。天才か俺は。
昼飯のカツカレーを食いながら、震える指で130万円を振り込んだ。
嫁には言えなかった。130万なんて言ったら離婚届が飛んでくる。
最初の1週間は天国だった
ツールを設定して起動。翌朝見たらプラス8,400円。
「マジか。寝てただけで8,400円。時給∞じゃん。」
2日目:+12,300円。3日目:+6,700円。1週間で+42,000円。
会議中に複利計算してた。このペースなら半年で元本3倍。1年後には…。退職届のテンプレートを検索した。マジで。
嫁に3万円のバッグが欲しいと言われて即OK。「いいよいいよ!」って。普段なら「来月ね」って言うのに。嫁が不思議そうな顔してた。
あの夜、全部終わった
2週間目の木曜日。仕事から帰ってスマホを開いた。
残高:106万円。
「ん?朝130万あったよな?」リロード。106万。もう一回リロード。98万。
リアルタイムで金が溶けていく。
ツールが暴走してる。ナンピンを繰り返してポジションが膨れ上がってる。損切り設定?そんなもの、このツールにはなかった。
42万。28万。15万。
止め方がわからない。販売元にLINEした。既読つかない。電話した。出ない。
8万。
130万円が、2時間で12,847円になった。
嫁はリビングでテレビ観てた。俺は風呂場に行って、電気もつけずに床に座った。シャワーの水滴がポタポタ落ちる音だけが聞こえてた。
どれくらいそこにいたかわからない。嫁が「お風呂入るの?」ってドア越しに聞いてきた時、「うん、今出る」って言うのが精一杯だった。
その後の1週間
食べ物の味がしなくなった。
コンビニでコーヒー買う時、「これ130万あったら8,666杯飲めたな」って計算する。ポテチ食べながら「このポテチ何袋分溶かしたんだろう」って考える。
全てが130万円換算になる。映画1本1,900円、684回観れた。嫁と温泉旅行13回行けた。毎月のお小遣い3万円の43ヶ月分。3年7ヶ月分のお小遣いを2時間で消した。
テレビで投資詐欺のニュースが流れた。嫁が「バカだねー、こういうの引っかかる人いるんだ」って笑ってた。
俺はその横でポテチを食べてた。味はしなかった。
販売元はどうなったか
ロスカットの翌日。販売元にLINEした。
「ツールが暴走して全額溶けました。返金してください。」
既読スルー。
3日後、もう一度送った。「せめて説明してください。」
ブロック。
インスタのアカウントを見に行った。消滅。
あのフェラーリも、あの収益スクショも、あの「脱サラできました!」も、全部消えた。最初からなかったみたいに。
残ったのは俺の口座の12,847円と、嫁に言えない秘密だけだった。
今だから言える、あの時の自分へ
冷静に計算してみろ。
投資の神様ウォーレン・バフェットの年間リターンが約20%。月利30%が本物なら、バフェットの116倍の成績。
そんなもんがインスタの広告で売ってるわけがない。冷静になれば5秒でわかる。でもあの夜の俺は冷静じゃなかった。
見分けるポイントは簡単だ。
「月利10%以上」を謳ってたら、ほぼ詐欺。実績のスクショはいくらでも加工できる。LINEのやりとりも自作自演できる。フェラーリはレンタルできる。
本物の運用は地味だ。月利2〜5%でも十分すごい。年利にしたら24〜60%。バフェット超え。それくらい「月利」って言葉は重い。
あの夜、嫁に「こういうのどう思う?」って聞いてたら。嫁は絶対「怪しい」って言ってた。130万円は守られてた。
迷ったら嫁に聞け。これが130万円で学んだ教訓だ。
まとめ
130万円は戻ってこない。でもこの経験があったから、今は「本物」と「偽物」の区別がつくようになった。
高い授業料だった。大学4年分の学費より高い授業料で学んだのは、「うまい話はない」っていう小学生でも知ってることだった。
でもね、投資自体が悪いわけじゃない。詐欺ツールが悪いだけで、ちゃんとした運用は存在する。
130万溶かした後、半年間勉強して、今は地味だけど着実に増やせる方法を見つけた。月利30%なんて夢みたいな数字じゃない。でも、風呂場の床に座ることもない。
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